【読書】家、黄色い花、そして夢と仕事(夢幻花-著:東野圭吾-)

けんすいまにあの生活

どうも

迷子の子羊です。

夢幻花

1回目

読み終えました。

気持ちぇええ

というのが最初の感想です。

家族、そして社会としての枠組み、それだけでなく夢や才能、将来や仕事

そんな誰しもが悩み、考える選択、通る道を

もう一度考させてくれる。

そんな本でした。

ここから大ネタバレありのあらすじ

あらすじはこう

プロローグ1:最初の3ページで、ある夫婦が日本刀を振り回す暴漢に殺される。その母親の腕には赤ちゃんが抱き抱えられている。

プロローグ2:そこから17ページかけてある家族の様子が描かれます。この本の主人公である蒲生蒼太(がもうそうた)とその家族が毎年恒例の朝顔市に出向いているところだ。蒼太はその家族の恒例行事にただ付き合わされているだけでつまらない気持ちを隠しきれない。父と長男は一生懸命アサガオを見ているが、母と自分は全くその輪から除け者にされているのだ。しかしある年の朝顔市で初恋の女性、伊庭孝美(いばたかみ)と出会う、しかしその一夏の恋も不可解に、そして一瞬で終わりを迎える。

そしてようやく本編が始まります。

水泳のオリンピックを目指し挫折した少女、秋山梨乃(あきやまりの)その兄に当たるミュージシャンの尚人(なおと)が自殺したそんな電話から物語は始まる。

そして尚人の葬儀で再会したお祖父さんの秋山周治(しゅうじ)。励まされて親しくしていたところ彼の家で黄色いアサガオに出会う。それからまもなく周治の花のようすをブログに書こうと家に訪れると周治の死体を発見してしまう。

怒涛の展開の秋山家。

今作のヒロイン(?)、秋山梨乃のお話。

そして周治の死から一つの物語が始まる。

周治に間接的に借りがあったため、事件捜査に特別なやる気が入る一人の刑事

浮気の末に離婚し養育費の支払いに追われる男、早瀬亮介(はやせりょうすけ)の物語だ。

そんなこんなで大量の登場人物が序盤で出てくる。

蒲生蒼太の話。秋山梨乃の話。早瀬亮介の話。そして謎の女性(伊庭孝美)、

周治が育てた黄色いアサガオを巡り事件と物語が交差していく

ヒロイン秋山梨乃の兄でありミュージシャンの秋山尚人の片腕、大杉雅哉(おおすぎまさや)、主人公の蒲生蒼太の兄、警視庁役員の蒲生要介(がもうようすけ)も加わって…

一人一人に物語があって複雑に交差している

これだけ大きく広げた風呂敷をどう畳むのか

しかしそんな中盤をじっくり読むと

後半ラスト70ページは全てのパーツがぴたりとハマっていく

そんな気持ち良さがありました。

印象的だった言葉(蒼太編)

中でも印象的だったのが

主人公の初恋の女性であり謎に包まれ暗躍する真のヒロイン?伊庭孝美の言葉

「負の遺産を受け継ぐ者の義務」

という言葉です。

蒼太は就活生でもあり

長年原子力の研究をしてきた

そんな中、原子力は天国から地獄へ

夢のエネルギーから負の遺産へと変わり果てた姿になって行った。

そんな中で蒼太は自らの進路で悩んでいるが

作中の孝美の言葉を聞いて決心する。

僕自身そんな大層な悩みなんてないし

覚悟もない。

負の遺産を受け継げ!なんて命令口調で言われたら

ふざけんなっ!って言うと思うし

社会に対して唾を吐きかける

でも蒼太と同様に

社会の枠組みから自ら一歩出ている状態で

こう思った。

俺って幸せだなって

物語にこんな真面目な捉え方をするべきでは無いなどという人もいると思うが、

今までも自分のしたいことをしてきたし

いや、したいことを出来る

環境が用意されていた。

仮にそのしたいことが自分で決めたことではなかったとしても

周りの人を見たときに

自分よりも恵まれている人を見ても

それは自分の尺度で勝手に比較しているだけで合って

その人はその人自身の事情があり、

環境がある。

もしかしたら負の遺産を受け継ぐ決断を覚悟を決めてその仕事をしている

そんな人に向けて、やりたい事をやりましょう

なんて口が裂けても言えない

だってだれかがやらなくちゃならない仕事だから

自分のしたいことを意志として発言できて行動ができる

これから自分で決めていくことができる。

そんな自分の置かれている状況を

これも比べていると言われたらそうかもしれん

でも感じた。いや、気がついた。

だから人に説教を垂れる暇があるなら

自分も自分のしたい事をしよう。

そう思った。

もう一つの物語(梨乃編)

夢を追い続ける道に踏み出した女性

作中で自殺した尚人の悩み

兄尚人の言葉「平凡な自分が誰よりも輝きたいという夢を持ってしまった。才能のある者はその道に進むべきだ。それが才能の与えられたものの義務だ。何の義務も与えられていないことがどれほど虚しいか…」

そんな言葉を聞き

踏み出した秋山梨乃の決断も

作中には書かれていた

たしかにその意見もある。

しかしそうして梨乃の決断を

世の中は美化されがちだと思う

もしもその1番輝きたいと思っていて

自分の才能を見分けて努力をし続けてきた。

それが自分の中に期待を生み出し、他者に期待を生み出して応援され

それを裏切ることへの恐怖に苛まれ続ける

自分の期待に縛られて息ができなくなる

そんな恐怖を味わったことのない人が

そんな事を言えるんだって

結局

1番輝きたいなんてものは

幻想に過ぎないって

僕は思った。

たしかに人から褒められて、賞賛されて、注目されて、ある尺度で1番になって輝いた瞬間はまるで自分が神になったかのような気持ちになれる

気持ちが良い。

でも次の瞬間からそんなものはその時だけの短絡的な快に過ぎないってことを思う存分知らされる。

まるで薬、薬物中毒者の禁断症状。

そんな自分に嫌気がさした。

オリンピックを目指す人を馬鹿にしているのではない

自分の限界を、才能を研ぐ事を忘れていつのまにか他人の称賛や注目、虐められたアイツを結果で見返してやる、なんていう他人の尺度や、本来の目的を忘れた小さい尺度に捉われて

いつのまにか復讐の道具に成り果てている

ピエロみたいに他人の期待に応えるためにやりたくもない事をやっている

そうならないと決めても

いつのまにかなっている

梨乃の道を応援したいとは思わない

だってその道が幸せになれるとは思えないから

今の時点の僕の尺度では

周治と花

最後に

梨乃のお祖父さんであり、陰ながら梨乃を応援していた周治

僕は

そんな彼のような人になりたいと思った。

やりたい事をやり続ける。

人に迷惑をかけずに黙々と

作中では殺されてしまったが

最後まで孫を思う気持ち、人を思う気持ちを持ち続けた彼

罪を憎んで人を憎まず

強くブレない自分の軸が合ったからこそ

梨乃に対しての振る舞いや気遣いができたんだと思う。

早瀬家との関わり方から読み取れる

彼の正義感の強さから

危険な目や不遇な目に会うことも多いだろう

でも

そんな彼のような人間こそ

長期的な目を見て

自分の人生を余すところなく楽しみきったと言えるんじゃないかと

いやいや熱くなってしまった。

余す所なく自分の人生を味わい切りたい

僕はそう思った

東野圭吾作品は覚えている限りでは2作目

一作目読んだのは”秘密”

バスの事故で主人公の妻と娘が巻き込まれる。娘だけが生還したが、なんと娘の人格が妻と入れ替わっていたというお話だ

この秘密も面白かったが

人間関係を考える上でヒントを得た

より現実的な今作は

人生を考える上でヒントをくれるような

そんな本でした。

興味のある方はぜひ読んでみて欲しい

ではまた次回の記事もお楽しみに

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