芥川賞受賞作家が振り返る壮絶な人生。後悔、不安との付き合い方

書評

マニアック

懸垂マニアです。

今日の本はこちら

芥川賞受賞作家

【人生にはやらなくていいことがある】

です。

はじめまして柳美里さん

僕は彼女の小説を読んだことはありません。

先日メルカリサーフィンをしていると

飛び込んできたこのタイトル

人生に悩む24歳はすぐに購入ボタンを押しました。

著者の経歴

著者の柳美里【ゆうみり】さんは

【家族シネマ】で芥川賞を受賞

元々は劇団員を目指して

劇団を経て劇作家、作家と進んできています。

側から見ると順調に進んでいるような

彼女ですが10代は壮絶な人生を送っています。

この本では彼女の10代の葛藤、

20代の奮闘と30代以降の歩みを振り返り

人生に後悔と不安を抱える人に実体験を元に

希死観を抱きながら生き続けてきた”考え方”を

伝えようとしています。

柳美里さんが表現する”後悔”とは

僕がこの本を読んでドシンときた内容がこれです。

家出、自殺未遂を繰り返し高校を中退、

数々の人とトラブルを起こし”後悔”してきた柳美里さん

彼女は後悔に対する解釈をこのように表現します。

【後悔、それはやってしまったこと言ってしまったこと、やらなかったこと、言えなかったこと、その瞬間瞬間を取り返すことは不可能だけど、取り返すことができないからこそ、自戒を込めてその瞬間を振り返る】

僕はただただ後悔についてその瞬間を思い出しては気分を落としてしまっていましたが

彼女は生きる方向を見てその瞬間を味わう

自戒を込めた後悔の大切さを解いていると感じました。

そのために後悔とは”学び”に近いものがあるんじゃないかと

過去の記憶は意外と曖昧で

その時の感情や出来事さえ今の自分が介して変形しています。

しかしそれでも人から教わるものよりも

自分の生の経験が今の自分を後悔させるのだとしたら

そこから教わるものは自戒としてかけがえのないものになる。

そう感じました。

他人の願望通りに仕立てられた子供は自分の願望を失ってしまう。

今僕が悩んでいる”虚無感”を著者ははっきりと表現してくれました。

〜だから褒められる。〜を頑張る貴方が好きだ

そうやって母からずっと育てられてきた僕は

僕自身もそうならないといけないと言う強迫観念にずっと取り憑かれています。

著者は

自殺未遂として母に復讐をしようとした

頑張れない自分を責めて、思い通りに行動できない自分も責めて、自分を責めてはイケナイとはわかっていても

母も母なりにの愛情表現をしてきた。

なので

母を責めるのもお門違いだと僕は思う。

行き場のない”怒り”に似た感情を自分に向けた結果

偽のプラス自己肯定感がマイナスに変わった時

ふと希死観が芽生える。

著者はこの本で解決策を

提示してませんでしたが

本書にも書いてあった

生に目を向ける事が大事なんじゃないかなと思いました。

生きるに目を向けることは

同時に死を背後に感じる事

生≒死 死を背後に感じることが大事 

そんなように思います

哀する気持ち、愛する気持ち

柳美里さんは

愛は

哀であると言います。

これは聖書の学びから派生したもので

愛すると哀するは一緒だと

生き別れた逢いたい人を思う気持ちは

哀しむと表現されますが

愛する人を思う気持ちも

自分事を他人事に思うという点では共通の気持ちで

哀すると表現できます。

ちなみに

かなしい【=悲し、哀し】は語源、

”かなし”からくるものでネガティヴな気持ちだけではなくて

切ないほどいとおしい、可愛くて仕方がないと言った意味も込められています。

 

哀は死者を

愛は生者を

隣人を愛することは

哀しみに共感する事もまた一緒なんじゃないかと

感じました。

 

柳美里さんの壮絶人生に興味のある方はぜひ

本書はタイトルの”人生にはやらなくていいことがある”という事についてはっきりと述べられていません。

なので巷の教養本のような”〜をやるな”とか

“〜をした方がいい”とは一切書かれていません。

8割は柳美里さんの人生を振り返る内容です。

なので結論を教えてほしい人や

論理的な人は満足行かない内容になっているかもしれません。

しかし

僕はこの本はこのようなスタイルだからこそ良いのかなと思いました。

この本をとおして筆者が言いたいことは

【人の人生に正解はない】

人との出会いは奇跡であり大事にしよう

自分の気持ちに嘘をつくことなく生きよう

後悔する選択肢だったとしても

自分の気持ちに従うことが一番の選択である。

今を生きよう、生に目を向けよう

そうすれば自ずと道は切り開かれる

僕の気持ちも相当投影されているので

もしありのままの柳美里さんの思いを感じたい方は

本書を手にとって見てくださいね

今回はこのへんで終わります。

ここまでご愛読いただきありがとうございました。

ではまた

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